「もしかして耳が聞こえにくい?」幼稚園で言われたあの言葉の本当の意味

APDとは?

娘が小学2年生でAPDと診断されてから、幼稚園時代のことを振り返ってみると

「もしかして耳の聞こえが悪いのかもしれませんね」

と先生に言われていたことがありました。

でもその時は「おかしいな」と思う程度で、聴力検査を受けても「異常なし」だったので、そのままになっていたんです。

でも今になって思えば、あの時の先生の気づきは、APDのサインだったんですね。

APD(聴覚情報処理障害)は、聞こえているのに脳での情報処理がうまくいかない状態のことです。

幼稚園・保育園時代に現れるサインを見逃さないことで、早期発見につながるかもしれません。

この記事では、あとから振り返って「あの時のこれがサインだったんだ」と分かったことと、先生への相談方法についてお話しします。

あとから振り返って分かった、幼稚園でのAPDサイン

集団活動での困りごと

幼稚園や保育園では、こんな様子が見られることがあります。

  • 朝の会で座っていられない、ボーッとしている
  • 先生の指示を聞き逃す、みんなが動き始めてから気づく
  • 「○○ちゃん、聞こえてる?」とよく声をかけられる
  • みんなと違う行動をしてしまう(みんなは片付けているのに一人だけ遊んでいるなど)
  • 集団での説明の後、「どうするんだっけ?」と友達に聞いている

うちの娘も、あとから振り返ってみると「いつも最後の一人」になってしまうことが多くて、先生から「お話を聞く姿勢ができていない」と言われたこともありました。

当時は「集中力がないのかな」くらいに思っていましたが、APDと分かってから「あの時のあれも、これも、全部つながっていたんだ」と気づいたんです。

日常的な場面での特徴

普段の園生活では、こんな特徴が見られることも。

  • 名前を呼ばれても振り返らない、気づかない
  • 騒がしい時間(給食、外遊び後など)は特に指示が通らない
  • 1対1では理解できるのに、集団だと難しい
  • 聞き返しが多い、「えー?」「何?」をよく言う
  • 簡単な指示でも「もう一回言って」と言うことがある
特に、静かな環境では大丈夫なのに、騒がしくなると途端に理解が追いつかなくなるのが、APDの大きな特徴です。

先生から言われがちな言葉

APDの特性があると、先生からこんな風に言われることがあります。

娘の場合も、あとから思い返してみると

  • 「集中力がない」「落ち着きがない」
  • 「聞く態度ができていない」
  • 「もしかして耳が聞こえにくいのでは?」
  • 「おうちでも、お話をよく聞くように言ってください」

といったことを言われていました。

その時は「そうなのかな…」と思うだけで、特に深く考えていませんでした。

でも今思えば、これらの指摘は決して悪意があるわけではありません。先生も「なんで伝わらないんだろう?」と困っていたんですね。

聴力検査では「異常なし」なのに困りごとが続く理由

APDとは何か

APD(聴覚情報処理障害)とは、耳は正常に聞こえているのに、脳で音の情報をうまく処理できない状態のことです。

幼児期では、こんな風に例えると分かりやすいかもしれません。

テレビの音は聞こえているけれど、チャンネルがうまく合わなくて映像がぼやけている状態。音は届いているけれど、「意味」として頭に入ってこないんです。

「聞こえる」と「理解する」の違い

大人でも、会議中に上の空になっていて、話し声は聞こえているのに内容が頭に入ってこない経験がありませんか?

APDの子どもは、それが日常的に起こっている状態なんです。

特に幼児期は、言葉の理解力がまだ発達途中なので、APDの影響がより強く現れやすいのです。

なぜ集団だと困りごとが目立つのか

1対1では問題なくても、集団になると困りごとが目立つのは、

  • 周りの音(雑音)が増える
  • 複数の人の声が同時に聞こえる
  • 集中すべき音を選び出すのが難しくなる
  • 視覚的な手がかり(ジェスチャーなど)が少なくなる

といった理由があります。

先生への相談・伝え方のポイント

相談のタイミング

個人面談や懇談会は、落ち着いて話ができる絶好の機会です。

また、日頃から連絡帳でコミュニケーションを取っておくと、相談しやすい関係づくりができます。

「いつもありがとうございます」という感謝の気持ちを伝えてから相談すると、先生も聞く耳を持ってくれやすいです。

伝え方の例文

APDの可能性を相談する場合

「お忙しい中、いつも○○をよく見ていただき、ありがとうございます。最近、家でも『聞こえているのに理解が追いつかない』ことが多くて、APD(聴覚情報処理障害)という可能性も考えています。園での様子で、何か気になることがあれば教えていただけますでしょうか?」

検査予定があることを伝える場合

「先日ご相談させていただいた件で、専門機関で検査を受けることになりました。結果が分かりましたら、また共有させていただきます。それまでの間も、何かお気づきのことがあれば教えてください。」

診断が出た後に報告する場合

「検査の結果、APDと診断されました。聞こえているのに、脳での処理がうまくいかない特性があるようです。今後、○○なサポートがあると助かるのですが、園でできる範囲で配慮いただけることはありますでしょうか?」

お願いしたい配慮

具体的には、こんな配慮をお願いすることができます。

  • 座席の位置:先生に近い場所、静かな場所
  • 指示の出し方:ゆっくり、短く区切って話す
  • 視覚的なサポート:身振り手振りや絵カードも使う
  • 個別の声かけ:名前を呼んでから話しかける
  • 確認:「分かった?」と理解度をチェックしてもらう
「できる範囲で」という言葉を添えることで、先生にプレッシャーを与えずに相談できます。

家庭でできる幼児期のサポート

聞く力を育てる遊び

  • 音探しゲーム:「時計の音、聞こえるかな?」
  • 伝言ゲーム:短い言葉から始める
  • 絵本の読み聞かせ:静かな環境で、ゆっくりと
  • 手遊び歌:視覚と聴覚を組み合わせる

集中しやすい環境作り

  • テレビや音楽を消して、静かな時間を作る
  • 話すときは子どもの正面に座る
  • 大切な話をするときは、子どもの注意を引いてから
  • 短い言葉で、ゆっくりと話す

就学に向けての準備

小学校入学前に、学校にも相談しておくことが大切です。

  • 就学時健診で相談する
  • 入学前の面談で特性を伝える
  • 必要に応じて、医師の診断書や意見書を準備する
早めに学校に相談しておくことで、入学後のサポートもスムーズに始められます。

まとめ

先生からの「もしかして耳が聞こえにくいのでは?」という指摘は、決してネガティブなものではありません。

子どものことを真剣に見てくれているからこその気づきなんです。

APDは、早期発見・早期対応が何より大切。

もし私がその時にAPDのことを知っていたら、もっと早くサポートを始められたかもしれません。

幼稚園・保育園の先生と家庭が連携することで、子どもにとって過ごしやすい環境を作ることができます。

一人で悩まず、まずは先生に相談してみることから始めてみてくださいね。きっと力になってくれるはずです。

もし「うちの子もAPDかも?」と思ったら、ぜひチェックリストもやってみてください。

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